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No.139 人の心が読める人

2012/04/05

信長は光秀の心が読めず、討たれた

古来から、誰も手を出せなかった比叡山を焼き討ちにするなど、その行為の是非は別としても、彼独自の、革命的発想のもと、戦乱の世を纏め上げて行った才能は比類なきものであった

信長は、信賞必罰

戦に不要となった武将の放逐など、臣下を戦の道具としてしか見ていなかった
しかし、彼のカリスマ性ゆえに、かろうじて信長軍団はバランスを保っていたと言える

信長は、自分がおこなった、光秀に対する仕打ちに対して、光秀がどんな思いをするだろうかなど、きっと考えもしなかったのであろう

信玄は戦上手でありながら

善政をおこない、臣下や領民に慕われた

謙信は、 1度も負けたことのない戦人生であったが

天下取りの野望はなく、戦いのポリシーにも確固たるものがあり、臣下に慕われ、最強の軍団を作り上げた

秀吉は、 「人たらし」 と呼ばれるほど

誰よりも人の心が読めた
人を信用させる能力が抜きん出ていて、戦闘で勝つよりも、諜略で戦に勝った
そして、出自は土民でありながら、人心をつかむことにより、遂には天下人となった

家康は三河武士の棟梁として絶大な人気があり

子飼いの武将を大切にした
天性の智力と運とに恵まれ、天下統一を果たしたあと、やり残したことのない状態で病没した

戦国時代は、討つか討たれるかの世界であるから

誰が人心をつかむことに成功し誰が失敗したのかが明確である

現代は、いささか、わかりにくい

しかし、組織のトップに立つ者、組織の指導者たる者は、人の心が読める人 、 人の心を動かすことのできる人 であることが、必須条件であることは確かだ

起業家は別かも知れないが

一般的に、出来上がった組織の指導者には、信長のような、並外れた、革新的な能力はいらない

組織にとって大切なものは

優秀なブレーン達であり、トップは、彼らを見出し、自身の周囲に置くことにより、組織を成功に導くのである

ブレーンに 「この人ならばついて行こう」 と思わせる人間力

すなわち、人の心が読める能力が最も大切なのである

つい先日のこと、当院の前任事務長が、定年退職の送別会の席で話した

「私は、委託職員の名前が全部言えます」

人は、自分を、名前で呼ばれることが最も嬉しいという

「そこの君」 と呼ばれるのと、 「○○さん」 とでは、上司に対する信頼感が雲泥の差だ

前事務長は

いみじくも、その業を心得た、 「人の心が読める人」 だった

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