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No.159 コンカツと「少子化対策」 No.2

2012/06/11

男女とも結婚の年齢が高くなったり

未婚率が増加している背景には、女性の高学歴化や、社会進出がある

一昔前、一般の女性は、社会進出が、ままならず

夫の収入に頼るしか、生きてゆく方法がなかったから、専業主婦になる道を選ぶのが普通であった
周囲には世話焼きの人達がいて、適当な見合い相手を見つけてくれて、若者は何となく、自動的に近い方式で結婚して行ったので、生涯未婚なんてことはありえなかった

今は、女性は卒業したら、就職するのが当たり前の時代

それも、総合職や専門職を選択する人が多くなり、今までのような 「結婚までの腰かけ」 ではなく、自分の一生の仕事としての職業を持つ場合が多い
そして、仕事のスキルがアップし、自分の仕事が面白くなってきた頃には、すでに 30歳を超えている

少しでも結婚を望む女性なら、結婚が、自分のこれからの人生に、果たしてプラスになるのか、そうでないのか、迷い出す頃だ

さて、日本広し、と言えども

自分の周囲に存在する未婚異性に限れば、その数は決して多くは無い
だから、普通に仕事をしているだけの狭い交友関係の範囲内では、未婚の異性と出会う機会もさほどない
ましてや、その中で、自分の好きな人を見つけ、相手も自分を気に入ってくれる確率は、ドレイクの方程式を持ち出すまでもなく、極めて小さい
「集団見合い」 と言えなくも無い合コンですら、結婚までに至るカップル誕生の確率は低い
「いいなって思う男 (ひと) は、皆、結婚しているのね」
かつて、僕の知り合いで、結婚願望のある未婚女性は、こう言った

もはや

「いつか好きな人ができたら恋愛をして、一定の交際期間を経て結婚」 なんて、偶然の出会いだけを期待した、夢のような、悠長なことを言っていられない時代となったのだろう
社会が多様化し、複雑化し、スピードアップしている
ちゃっちゃと恋愛して、ちゃっちゃと結婚しなければいけない
忙しい
だから、 「婚活」 なのだ

また、若者の結婚観も変化している

挙式、披露宴をおこなわないカップルが激増した
婚姻届を出すだけという結婚スタイルだ
「結婚はしなくても、自分の子供は欲しい」 という女性も増えている

すなわち、時代は変わって行くのに、延々と変わらない結婚制度の存在そのものが、若者の結婚願望を削ぎ、晩婚化や未婚化を引き起こしているのではないだろうか?

しかし、いっぽうで

  • 「自分の家族を作りたい」
  • 「自分の子供が欲しい」
  • 「孤独死は嫌だ」
  • 「社会からの偏見が嫌だ」

など、さまざまな理由で結婚を望む人も多い

ここにも、積極的に打って出る 「婚活」 が必要となる根拠がある

「自分の子孫を残す」

これは生物共通の本能であり、種の保存という、重要な目的のある本能である
しかし、進化の頂点に立ったヒトにとって、生殖は、もはや人生の一つの選択枝に過ぎなくなってしまった

人類は、進化することによって

動物としての本能が薄れてしまったのかも知れない
だから 「性の快楽は享受しても、子作りはしない」 「パートナーはいても子供は作らない」 という考えの人がいても、別に不思議ではない
こういった考えは、何も今に始まったわけではなく、西鶴の 「好色一代男」 は、まさに、これを地で行った、世之介の物語である

「少子化対策」 が

子供の養育費ばらまき策だけ というのは見当違いも甚だしい
金銭的な面も無視できないことは事実だが、こう言った若者の結婚観、恋愛観の変化の現実を直視し、たとえば、一夫多妻、一妻多夫制度なども考慮に入れ、現在の婚姻制度自体にまで踏み込んだ議論をしなければ、いずれ、人口減少から移民を受け入れざるを得なくなるだろう

フランスの例を見るまでも無く、移民政策だけはやめてもらいたいものだ

誕生した子供を、両親の全面的責任で育てるのではなく

養育施設を作り、成長期の一定の期間、施設で集団生活をするシステムも良い
女性が育児から解放され、仕事に専念できるばかりでなく、子供にも早くから社会性が身に付き、家庭内のみで養育した場合、しばしば起きる両親のエゴ (自分の子供だけ良ければ、他人の子などどうでも良い、もしくは、他人の子など蹴落したいという願望) を引き継ぐこともない

子供を預かる施設の新設により雇用も増える
いい事尽くめではないか

明治以来、日本の政策の大転換が行われたのは

ほとんどが他国からの外圧によるものであったという歴史がある
「苦しい時の他国だのみ政策」 を最も得意とする日本だが、すでに戦後 70年ともなろうとする今日、そろそろ、独立国として、明確な将来像 (人口増加策) を描くべき時に来ている
「富国強兵」 は、決して死語ではないのだ

「好きな異性を見つけ、相手も自分を気に入ってくれる確率は小さい」 はずだが

僕の周囲のカップルを見回すと、皆、狭い交友範囲の中で、言わば 「手近な所で」 相手を見つけて、さっさと結婚している
あえて婚活と命名するまでもなく、結婚願望さえあれば、何とかなるのかもしれない

さて、女性の中には

「自分の子供は欲しいが夫はいらない」 という人も徐々に増えていて、米国では特にその傾向が強く、条件の良い男性の精子を得て、人工授精し、出産後は自分で育てるという
正式な機関を通すと、高額になるため、カフェなどで無償で、見ず知らずの人の精子を貰う女性もいるとの報道もあった

日本でも、いつかそういう時代が来るのであろうか?

これを規制するのは難しそうだ

おわり

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