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No.181 少子化

2012/10/02

今、一人の女性が一生に産む子の数が 1.5人前後という
   (専門的には 「合計特殊出生率」 というらしい)

生涯未婚者も増え、また、結婚しても子を作らない夫婦もあるだろうから、夫婦が作る子の数は最低でも 3人なければ、これから日本の人口はどんどん減少することだろう

2007年に創設された、通称 「少子化担当相」 だが

大臣は目まぐるしく交代し、最長でも 1年、最短は 11日間ということを考えても、国は少子化対策を本気で考えているとはとても言い難い

「少子化担当大臣を作るなら、少子化対策省でも作ったら」 と言いたい所だが

政府が真剣に少子化対策に取り組まないのは、今の自由社会において、少子化に歯止めをかけることは、社会構造上不可能であることを知っているからだろう

少子化担当の特命大臣を任命し、子供手当てをばらまいたのは

一種のパフォーマンスに過ぎず、国民も含めて、誰もが、こんなことで少子化を食い止めることができようとは、よもや本気で考えてはいますまい
もっとも、けちなことを言わず、子供一人に対して数千万円の支給をするともなれば、状況は一転するかも知れないが

文明が発達するにしたがって、出生率は低下する

これは一体何故だろうかと、僕は考える

人生や、家族や、暮らしに対する価値観が、変わって行くからなのか?

大家族から 核家族へと、生活様式が 変わるからなのか?
今の 80代、 90代の女性は、 1人で 10人も子を産んだ人も決して少なくはない
ところが、現代で 10人生めば、テレビの特集番組になるくらいだ

まず専業主婦が激減したこと

女性も 責任ある立場の職業人であることが、出産回数を減らす

次に、核家族化

また若い人口の都市部集中により、嘗ては子供の面倒を見ていた、夫婦の両親が近くにいないため、多くの子育ては難しい

晩婚化が進み

子を産めるスパンが短くなる

子の教育費が高騰しているのにも拘わらず

景気の低迷で、一家の収入は減少している

男は、オス としての動物的本能を忘れ

パートナーを持つことや、結婚に 魅力を感じなくなっている

社会構造の変化により

仕事内容がクリエイティブな方向へと変化して行くため、仕事が面白く、結婚は単なる人生の選択の 1つとしか考えない人が増える

嘗ての 「見合い結婚」 が激減し

かと言って、出会いの機会が多いわけでもなく、結婚の意思はあっても、相手が見つからないまま、齢を重ねてしまう

など、まだまだ、いくつかの要因が重なって、子が減るのだろう

だから、日本は

このままでは、ますます少子化に傾くのは 目に見えている

人口の 未来予測というものがあるが

過去から現在のデータの演繹によって未来を予想するものだから、未来がどのような社会構造や国民意識になっているのか、不明なままの予想に過ぎず、全く当てにはならない

人口減が 予測よりも、改善すれば

それは、それは嬉しいことだが、逆に、もっともっと、人口減になることだってありうるわけだ


しかし、だ

人口減が そんなに いけないことなのだろうか?
人口が減れば 消費が減り、経済は 不活性化するかに見える
しかし、生産人口も減るのだから、均衡が取れる
少ない富を、少ない人口に配分するだけの話である

若者人口が減る ということは

将来は高齢者も減るから、福祉財源はあまり必要でなくなる

つまり、小さな規模の国家となるわけで

小回りは効くし、それはそれで成り立つのではないか

現に 韓国の人口は 4800万人程度だが

それなりに経済は動いているし、LG、サムスン、ヒュンダイなどの 世界的企業だって存在する

国家は、人口が多ければ豊かになるわけではない

GDPで世界何位であろうと、国民の心が豊かであれば、それで何ら不足はないはずだ

日本は 2000年以上に亘って、他国からの侵略を受けず、存続してきた

こんな国家が他に存在するだろうか?
これは 偶然にそうなったのではない
それぞれの時代の人々が、知恵を使って独立を保ってきたのだ
日本国民は、もっと自国に誇りを持たなければならない

日本には 2000年の文化があり、伝統があり、生活様式がある

たかが 200年程度の歴史しかなく、北米大陸を、先住民族から、いわば 「侵略」 によって建国した米国が、いつまで世界の覇者たりうるかは わからない
その米国の あとを追ってどうする

かつて、バブル経済を経験し、経済大国と呼ばれた時代があった

しかし、頂点に昇りつめれば、あとは降りるしかないことに気付かなければならない

そして、それを良しとするべきだ

少子化

別にいいではないか

  • 人口 3000万人くらいが、日本の面積、資源にはちょうど良い
  • そうすれば、エネルギー消費だって、少ない
  • 食料だって 自給自足だ
  • 人口が密集しないから、もしも災害が起きても、被害は 最少に食い止められる

ODA (政府開発援助)

出す側でなく、貰う側になったほうが得策かもしれない

あっ、いずれにしても

100年以上先の話で、今いる人は、誰も生きていないか!

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