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No.191 ポイントカード

2012/12/03

小売店のポイントカードや

給油の際の会員カードを持っている人は多いと思う
実は、これらのカードを作る際に、住所、氏名、電話番号などの個人情報を求められる場合が多い

つい先日、ある量販店で

ポイントカードを作ろうと決めて申し込んだところ、案の定、住所、氏名、電話番号を申し込み書に書くよう要求された
僕は、正直に自分の名前と電話番号を書いてしまったが、偽名、偽の電話番号や住所を書くことも可能だったわけである

店側からすると

ポイントカードを発行するということは、リピーター、固定客を確保するという本来の目的以外に、顧客の情報を得ることができるメリットもあるのだ

これらの個人情報は

当該店舗で悪用されることはないであろうが、情報は漏洩するのが常だ
住所氏名と携帯番号があれば、個人を特定できるわけで、我々は個人情報を提供する対価としてポイントカードによるキックバックや、ガソリンの値引きという特典を受ける

たとえ、個人情報が漏洩したところで

ただちに被害が及ぶとは限らないが、個人情報を公開するのは、あまり気持ちの良いことではない
個人情報は、知らないところで漏洩する
「大量の個人情報流出事件」 などという見出しが、しばしば報道される此の頃である

ホテル宿泊の場合

予約段階で、氏名、電話番号等の個人情報を聞かれる
しかし、後日、ホテル側から確認の電話があったことは一度もなく、きっと、偽の住所、氏名、電話番号で予約やチェックインは可能なのだろう

「なりすまし」 は

医師や建築士でしばしば事件として取上げられるが、それ以外では、多分多くの場合、刑法には抵触しないのではないだろうか
僕は、以後、時と場合によっては、セカンドネームを使用することを考えている

「個人情報の保護に関する法律」

通称、個人情報保護法は、 2005年に施行された
これは、世界の IT化に連動している面が大きいと思う
同法が制定されるまで、我々は、個人情報が大切なものであるという認識すらなかった

ネットバンキングなどで

コンピュータウイルスによる現金詐取事件が取り沙汰される今日、オンライン化に突き進む日本では、セキュリティー対策が甘い
というか、オンラインで現金の取引をする以上、コンピュータウイルスを使った詐欺は理論的にはいつ起きてもおかしくない

IT化の初期には、こんなウイルスはなかった

しかし、ウイルスは、世界中で毎日何万、何十万と新種が作られている
ITに関する専門的な高度な技術をもった人が世界には大勢いる以上、いくら安全なシステムを作っても、また、いくら優秀なセキュリティーソフトを作っても、必ず破られることは必定
いたちごっこは永遠に続くであろう

考えてみれば

ネット以外でも銀行振り込みなどはオンラインで行う時代だが、銀行や郵便局の内部では おそらく顧客の口座を勝手に操作できる立場の人が何人かいることだろう
その人達のモラルを信じて僕らは銀行口座を使って入金送金をふつうに行っている

銀行口座を開設する際にも

細かい個人情報が要求されるわけで、以前のように架空口座が開設できないようなシステムになってしまった
しかし、反面から見ると、これは預金者側としては、他に漏らしたくない資産の情報を公開しているようなものである

金融機関の内部に

もし不埒者がいれば、電算処理で顧客の口座から送金することだって可能かも知れない
つまり、我々はそのリスク覚悟で口座を利用している

さらに、暗証番号だけで出金ができるシステムは危険極まりないわけだが

便利さに負けて、ついキャッシュカードを作る
クレジットカードも同様だ
尤も、多くの人は、恐らく、キャッシュカードやクレジットカードに潜む危険性の認識はない
「自分だけは大丈夫」 といった、根拠に乏しい、幻想とも言える 「信頼」 によって、便利だからと、これらを利用するのだろう

僕は、ホテルに宿泊する場合

偽名 (僕はこれを、セカンドネームと呼ぶ) で申し込もうと思う

いや、待てよ

もしも何か事件に巻き込まれそうになった時、 「旅行をしていた」 というアリバイがなくなってしまうではないか

やはり、ホテルは実名がベターか

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