2012/12/12
「ヒットパレード」 のような歌番組が席巻していたが、今は影を潜めた
これと同じ現象が、今起きつつあるような気がする
いわゆる 「月 9」
現在放映されているのが、木村拓哉主演の 「プライスレス」
僕はこれに少々はまっている
魔法瓶会社をリストラされたキムタクが、仲間 2人と画期的な魔法瓶を開発して会社を立ち上げるというもの( 8話まで)
さまざまな破天荒なストーリー展開の割には、毎回、結構な高視聴率をキープしている
気の弱い上司を演じる中井貴一の演技が光っているので、僕はついつい次回も見てしまう
明るい話題のない昨今、虚構とは言え、この、どこまでも前向きな主人公の紡ぎだす、明るいドラマは、終わった後の後味も、なぜか爽快だ
ストーリーの如何ではなく、元気を与えてくれる所がヒットの原因なのかも知れない
視聴率男、阿部寛を主役に起用し、あの山口智子が 16年ぶりに出演するということで、満を持してスタートしたであろうものの、初回から視聴率は低く、しかも回を追うごとに低下している
さらにシネライクガンマという特殊処理を施した画面は映画的であり、信州の豊かな自然を美しく描き出している
しかも、幾人もの主役級俳優が脇を固めていて、まことに豪華なのだが、このありさまだ
テレビドラマは、今やキャストや映像美で視聴率が決まる時代ではなくなった、ということだろう
といった特徴を備えた 「プライスレス」 がヒットする一方で、大したストーリーもなく、淡々と、 2つの家族の生活を、ただ丁寧に描いてゆく、 「ゴーイングマイホーム」 はすべった
要は、変わりつつある視聴者のニーズ、視聴者層の変化を捉えきれていなかった、あるいは、製作者側の意図と、視聴者側のドラマ内容に対する要求に温度差があった、と言えるのかも知れない
小津の 「東京物語」 的であり、元来、映画監督である是枝裕和らしい作品に仕上がっているから
今期ドラマは、どのチャンネルも低視聴率のものばかりである
テレビ以外の通信媒体が増えた今、国民全体が、テレビというものに関心を示さなくなっているのではないだろうか