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No.194 公約

2012/12/13

安倍総裁は

「マニュフェストという言葉は、もはや恥ずかしくて使えない」
と、皮肉を込めて言い、 「公約」 という言葉を復活させた

少数野党が乱立する今回の選挙

各々に似たような選挙公約を掲げている

この中で僕が、いちばん違和感、あるいは疑問を感じるのは 「原発を 2030年 (2040年) までには全廃します」 というもの

少数野党が政権を取れるわけもなく

また仮に政権を取ったとしても、政権は何十年も維持できるとは限らない
政権が変われば前政権の決めた政策も変わりうる日本である
それどころか、同じ政権期間中にも政策が変容する日本である

すなわち、誰が考えても実現不可能な、まるで絵に描いた餅のような公約を、平然と有権者に訴える感覚が理解できない

「マニュフェスト」 を

「公約」 あるいは 「アジェンダ」 と言い換えたところで、実体は同じことだ
これらを本気で信じて投票する有権者は、きっと、もういない

我が国の選挙では

有権者は候補者の掲げる公約の意味をよく理解して投票する人ばかりではない
政治に関心がない人も、政治がわからない人も、皆平等に選挙権を持つのだから、これは仕方のないことだ

「組織票」 という選挙用語があることからもわかるように

誰かに頼まれて、あるいは自身の所属する組織の方針にしたがって、特定の候補者に投票することは日常茶飯事だ
また、テレビでよく見かける有名人だからとの理由だけで、ある候補者に投票する人もいるだろう
○○をして貰ったから」など、私的理由での投票もあるだろう
選挙後に金品授与などでの選挙違反が摘発されるのは常だが、氷山の一角に過ぎないのではないかと勘ぐりたくもなる

日本の選挙とは、残念ながら、所詮そんなものなのだろう

公約を投票の根拠にできないのならば

せめて立候補者の人柄や実績を知りたいところだが、残念なことに、こちらの情報開示はまだ十分とはいえない現状である

「有権者が自由意志に基づいて候補者に投票するのだから民主主義だ」

といわれても、僕にはなぜか釈然としないものが残る

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