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No.240 過換気症候群? つづき

2013/05/07

遠藤健一は常勤 21年目の呼吸器内科医である

少々こわおもての彼の笑顔を見た人は殆どいないし、その年齢や家庭生活は謎に包まれていて、果たして既婚者なのかも知る人はいない

呼吸器内科部長といっても

呼吸器内科医は、東新記念病院には彼一人である
彼は、呼吸器にしか興味を示すことはないが、誰の相談にでも、呼吸器のことに関しては的確に答えてくれる、まことに有難い存在でもある

鮎川が相談を持ちかけた時、遠藤はカルテ整理中であった

ギョロッと彼女を見上げると、彼はカルテを閉じて、呼吸不全に陥っている女性患者の画像を開く

「鮎川君、これは心不全だよ」

鮎川 : 「はっ? インフルエンザ は い え ん ・ ・ ・ 」

遠藤は鮎川の言葉を遮って続ける

遠藤 : 「まず、心陰影が大きい 心基部から広がるような陰影で、胸水もある」

「そりゃ、どこかに肺炎像くらいはあるかも知れないが、呼吸不全のメインは心機能低下だね インフルエンザ心筋炎じゃないの? CT撮った?」

彼はそれだけを言うと、自分のカルテ整理作業にもどった

鮎川は 「インフルエンザ心筋炎」 など診た事がない

「今度は循環器に相談か?」

「その前に心エコーくらい撮っておかなければ」

「いや 胸部 CTも必要だし ・ ・ ・ ・ ・ 」

- つづく -

この物語は全くのフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません

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