2013/08/15
正規雇用される新卒者数は年々減少しているという
本質は産業構造の変化による所が大きい
つまり、 「人手」 が要らなくなったのだ
しばしば、18から 19世紀の産業革命に例えられる
産業革命では、機械が人間の単純作業の雇用を奪ったが、その後、第 3次産業の発展により、余剰労働力は吸収された
しかし、コンピューターの計算速度は冪級数的に年々速くなって行き、その能力は留まることを知らない
産業革命と異なるのは、コンピューターは、従来人間にしかできなかったことの大部分を、いとも簡単にやってのけてしまうということであろう
「コンピューター失業」 という言葉さえあると聞く
工場での単純な組立作業は、いずれ全て無人化されることだろう
殆どが自動改札に置き換わった
機械が自動で組み立てをおこなうシステムがあり、これが進化すれば、いずれ建築現場に人手は不要となる
これにより、将来、貨物車の運転手、路線バスや列車の運転士、果ては航空機の操縦士だって不要になる日が来る
印刷をやめて配信のみにすれば、紙、インク、印刷機、運搬、輸送用機器、販売店、配達員が不要となる
つまり、人件費が大きく削減でき、しかも、締め切り時間ぎりぎりまで編集可能のため、よりアップデートな情報が提供できる
しかし、製紙会社、インク製造会社、印刷機メーカー、運搬関連業の縮小にともなう雇用は減少する
本来特殊な才能をもった技能集団であった
しかし、今やコンピューターがデザインをこなす
例えば、新型自動車のデザインもコンピューターによって作られる
デザイナーには特殊な技能は必要がなくなる
営業部員や保険の外交員も不要となる
飲食業はどうだろう
ごった返す店内を、注文聞きの店員が行き来する光景は、 10年先には、たぶんないだろう
注文は、各テーブルに置かれたタッチパネルの端末でする
そして、注文した品はベルトコンベアで運ばれてくる
そんな光景が目に浮かぶ
厨房に人はいても、ホール (客席) には人がいない
つまり、三次産業でさえ、人手は不要となる
人間にしかできないこと
これをこなせる人間だけが雇用の対象となる日が来るのは、恐らく、そう遠くではない
本質は、産業構造の変化に伴い、次第に人手が不要となっていることなのだ
だから、 「景気が良くなれば雇用が増える」 という考えは幻想でしかない
仲介業者が近づき、自分が 「他社」 に好条件でヘッドハンティングされたと勘違いさせられて、退社した直後、その 「他社」 が架空であったと知る
つまり、これは脱法的な解雇
企業はそこまでしてでも、人員削減を断行している現実がある
暫くは、まだ必要とされる人材がある
それは、コンピューターを開発、制御できる技術を持った人間とか、農業、酪農業、漁業に携わる人間だろう
コンピューターを使った気候管理システムを持つハウス内で工場生産物として作物を収穫する時代となり、農産物は 「工業生産物」 と変わらない日が来ることであろう
養殖技術が進化すれば、遠洋航海に出ることもなく、工場生産的に魚を作る工場が出現するだろう
比較的コンピューターに影響されないとされている
しかし、本当だろうか?
いずれ 「診断ロボット」 なるものだって開発されるに違いない
藪医者よりもロボットドクターのほうが正確な診断と治療方針を立てられる日が来るであろう
その人件費を削減することが企業の生き残る道であるとするならば、雇用は、景気に関係なく、今後も減り続けることだろう
そんな時代には、一体どのような社会構造となるのだろうか?
- つづく -