2013/10/04
「丸刈り」 ではない
僧侶のようなつるつる頭、少しカッコよく言えば スキンヘッド
眉毛も剃っている
勿論、昔は頭髪があった
教授診察のシュライバー (書記) を、若い研修医と 2人で務めていた時のこと
その研修医が何かを一生懸命に描いているのに目が行った
彼は暇にまかせて、僕の後ろ姿を診察机の片隅に、鉛筆で描いていた
しかし、その絵を見た僕は愕然とした
なぜなら、絵には、頭頂部の毛がない
まるで教科書で見た、フランシスコ ・ ザビエルのような僕
帰宅後、改めて鏡で自分の頭を眺めた
そして、確かに、頭頂部がかなり薄いことに初めて気付いた
その時、 「ええい、いっそのこと、全部剃ってしまえ」
と、坊主頭になることを決めた
その昔、帝国陸軍軍人が丸刈りであった理由がよくわかる
戦地では、丸刈が、さぞ便利であったことだろう
おっと、そんな悪いことはしませんが
ある時、急いで車に乗り込もうとして、ルーフに頭をぶつけて痛くて涙が出た
僕は街に出る時、紫外線よけに少し派手目のサングラスをかけ、少し派手目な服装と、両手に複数の幅広の指輪、ネックレスをつけることが多い
すると、大柄でスキンヘッドの僕に接するショップ店員は、妙に丁寧な言葉を使う
もしかして 「怪しい人」 とでも思われているのか?
これもデメリット
坊主頭のメリットは デメリットより遥かに多い
だから僕には薄毛を気にする人の気持ちがわからない
薄毛に悩むくらいなら、いっそのこと坊主頭になればいいのにと思ってしまう
こんな便利なヘアスタイルは他にない
シェーバで、つるつるになるまで頭髪と髭と眉毛を入念に剃りあげる
この間は何かを考えることに集中するにはちょうど良い時間だ
特に光るものを何も持っていない僕だが、剃りあがった後の頭を鏡で見ると、見事に光っている
そう、僕にも光るものがあったのだ
回診で、とある高齢の女性に
「今日はいかがですか?」
と問いかけたら
「どこのお寺さんが来なしただか?」
と聞き返された
ナースが慌てて僕を指差し
「これは先生ですよ 和尚さんじゃないです」
と言っているのにも拘わらず、耳の遠いおばあちゃん
ありがたそうに僕に手を合わせる
しかし、残念なことに、僕はお経が読めない
ナースもナースで、僕のことを 「これ」 扱いだ
ある病院で糖尿病教室を開催した
4階の会場まで、順路を示す案内版が何枚か貼られる
「糖尿病教→」
何としたことか、 「教室」 の 「室」 が抜けているではないか
聴衆の一人から言われたこと
「先生は上下とも白衣で坊主頭だから 「糖尿病教」 という新興宗教の教祖みたいだ」