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No.271 趣味考

2013/11/15

僕は、今趣味がなくて、本当に真剣に困っている

趣味のある人は幸せだ

思うに、 「趣味」 は主として 3種類に分かれる

1. 実践系
旅行、ゴルフ、魚釣り、狩猟、山登り、トレッキング、ランニング、テニス、野球、スキー、家庭菜園、楽器演奏、プラモデルや鉄道模型製作、オーディオ機器製作、ジグゾーパズル、何かの蒐集など
2. 鑑賞系
音楽鑑賞、読書、コンサート、映画やビデオ鑑賞、野球観戦、サッカー観戦
3. ギャンブル系
パチンコ、競輪・競馬・競艇、マージャン、株式投資、FX

1. のようなアウトドアライフは

どこか遠くへ出かけることになるわけだが、出無精の上に紫外線が嫌いときている僕に向くわけがない

また 「何かをコツコツ作る」 などという面倒な行動は、僕にとってはもっての他だ

かといって 2. のような静的に過ぎることも

僕はその消費時間が勿体無くて、好きになれない
得られる利益と、それにかける費用との比を B/C と言うが、得られる利得と、それにかける時間を B/T とでも表現するのなら、 2. は B/T が悪い

というのは、世の中には、がっかりする書物や音楽が多すぎるから

もっとも、何かをしながら音楽を聴いたり

電車に乗っている時間に読書をするのならば 2. はまんざら捨てたものではないが ・ ・ ・
僕は、読書が嫌いではないが、安い文庫本は文字が小さすぎて目が疲れる

スポーツ観戦に関して言わせてもらえば、一体どこが楽しいのだろうか?

楽天が勝とうと、巨人が勝とうと、自分の生活には何ら関係がない
選手達が喜んでいるのはわかるが、 「ファン」 が自分のことのように狂喜乱舞する心理は理解不能である
ファンは選手と違い、何の達成感もないはずだ

3. は唯一利得が得られるかも知れない趣味だが

「ギャンブルは、別世界の人がするもの」 と考える僕には無縁


ちなみに、僕の父は魚釣りが大好きだった

店を臨時休業にしても、汐が良いと、釣りに出かける
だから、僕が就学前にも拘わらず、始めて覚えたのが 「臨時休業」 という 4字熟語であった

父は、しばしば、小学生の僕を

海釣や、夜釣に連れて行ってくれたけれど、そして、釣り方も伝授してくれたのだけれども、僕にはちっとも魚釣の面白さが分からなかった
「いつか、かかる」 という信念にもとづく偶然を期待して、ただただ糸を垂れ続けるのは 「時間の浪費」 としか、子供の目には映らなかった

僕の叔父は

鉄道模型製作、オーディオ機器製作という、 2つの趣味を持っていた
中でも鉄道模型は本格的で、市販のキットなど使わず、真鍮板の切断から始め、細工、塗装し、板バネなどの細かい部品は鉄片を加工して仕上げた
そして、 「Oゲージ」 (今ではすでに知る人も少ない) という大きなサイズの機関車や列車を見事に、忠実に再現した

オーディオに関しては

究極の良い音を目指して、自分独自の回路を考案しては実験し、ハンダゴテとペンチを駆使して真空管アンプを何台も試作しては、クラシック音楽を僕に聴かせた
レコードプレーヤー、テープレコーダーも自作の、独自のものを使っていた
平日は会社役員としての顔だったことだろうが、休日は完全に少年の顔であった

そんな、父や叔父が

自分の趣味に 「大真面目に」 打ち込む姿を見て育った僕ではあるが、なぜか未だに 「趣味」 を見出せないでいる

今では 「仕事より趣味を優先させた父を偉い」 とさえ思う

そんな折、同僚のO川さんが、勧めてくれた、ノルディックウォーキング

これなら、出無精の僕にもできるかも知れない

いやいや、紫外線だ

それなら雨の日におこなえばいいか

いや、傘をさすからストックは持てないし、足元が悪いからだめだ

本当に、へそ曲がりの僕である

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