2013/12/16
だから漢字を書けなくなった
「読めるけど書けない」 という漢字、熟語はきっと誰にでも、たくさんあるだろう
IT技術の進歩に伴い、日本人は漢字が書けなくなる
もしかしたら欧米人だって、コピーアンドペースト機能、スペルチェック機能などの多用で、スペルが正確に書けなくなっているのではないだろうか
僕が社会人になった時には、すでにワープロがあり、幸い、文章を肉筆で書くことは殆どなかった
殊に、論文を書く時には、ワープロほど便利なツールはないと感じたことを記憶している
僕より少し前の世代の人達は、電動タイプライターを使っていたようだ
ボールペンを使う機会は、まだある
しかし、いずれ電子カルテになれば、一度もペンを握らない日々の連続となるだろう
など
これらの書類は、空欄をワープロで埋めてゆくだけの物も多いから、作成に要する時間は極めて短いかわりに、漢字を書く機会は確実に減っている
漢字を書く機会は、きっと自分の氏名の署名の時くらいになってしまうだろうし、筆記具すら不要の世の中になるのかもしれない
このうちの 「読み」 は残るけれども 「書き」 と 「そろばん」 は不要の時代になってしまったと言っても過言ではない
紙とペンを前にしても、考えがまとまらず、文章が全く浮かばない
逆に、ワープロで書き始めると、はじめは何も考えていなくても、自然に考えがまとまり、なかば自動的に文章が出来上がってゆく
たとえ書けない漢字があっても平仮名入力で変換されるとか、コピペができるとか、そんなレベルの話ではない
キーボードを操作するだけで文章が出来てゆくという不思議
「何も考えていなくても、自然に考えがまとまり ・ ・ ・ 」 というのは正確ではなかった
そして、関連ある文をくくり、段落とする
これを繰り返しているうちに文章が出来てゆくのである
やはり、ワープロのコピペ機能が大切であったのだ
さて、それでは文章作成に紙は不要か、と言うと、決してそうではない
論理的誤りや、文章スタイルのまずさ、同じような表現の繰り返し、段落の分け方、句読点の位置などが急に目につくようになる
不思議なことに、これらはワープロの画面をいくら眺めていても、見えてこないものだ
ワープロで試作文を作成
→ プリントアウトしてペンで校正
→ 校正部分をワープロで訂正
→ プリントアウトして、またまたペンで校正
この繰り返しで推敲を重ねる
これは僕に限ったことではなくて、誰もがそうなのかも知れないが