2014/04/10
スーパーで販売されていることも時にあったが、結構高価な代物であったように記憶している
土筆は、今でも料亭などでは、春の季節物として呈されているようだ
母は、もともと料理上手だったが、こと土筆に関してはこだわりがあった
そして
9歳違いの幼い妹を連れては、落合 (中津川市) で毎年土筆を取ったこと
幼い妹が土筆の穂の部分だけ取ることを何度となくたしなめたこと
など、子供だった僕は幾度も聞かされたものだ
結婚後は教員をやめ、何のためらいもなく専業主婦を選んだ
そして、料理や家事を、いつも段取り良くこなした
母の作る料理を褒めると、母は本当に嬉しそうな顔をした
いろいろ後片付けをしていた数日後、何気なく冷蔵庫を開けると、片隅に土筆の醤油炒めがタッパーに入って置かれていた
土筆料理は、下ごしらえに手間がかかる
母は喘息重積発作を起こす前日に、もしかしたら、僕のために土筆を下ごしらえをして調理していたのだろうか?
いつもながらの優しい、ほろ苦い風味が、口いっぱいに広がる
そして、つい先日まで元気だった母の面影が蘇った
まず、袴の一部を掴んで下に引いてはずす
できた 1mm程の隙間の、最も下の部分 (袴と軸の付着部分) に爪を入れて、軸を回すと、残りの袴は簡単にはがれる
雪解けして間もない時がベスト
そして、土筆の卵とじと、バター醤油炒めを作ってみた
懐かしい母の味がした