2014/09/19
「褒めて育てる」
「褒められて伸びる人」
などという言葉がある
誰だって良いところを褒められれば嬉しい
もっと褒められようと、更に頑張る子供は多いだろう
しかし、これは子供を育てる時には有効な方法であったとしても、自我の確立した人にも通用するであろうか
「叱られて (悪い箇所を指摘されて) 伸びる人」
ということになるのだろう
人によってそんなタイプ分けが果たしてできるものであろうか
というのが、今の一般的考え方のようであるが、何の科学的、実証的根拠があってこんな考え方が出てきたのか、僕は問いたい
数十人を対象としたリサーチはいくつかあるらしいが、人間は個々、人によってすべて異なるので、たかが数十人を対象とした、「結論ありき」で実施されたようなリサーチはすべて無意味である
褒める箇所がある人は、どうしていても伸びるのだと思う
間違いの箇所を、 「ここがいけない」 「このように改善すればもっと良くなる」 と、あくまで理論的に、冷静に説明することが肝要である
つまり、良いところを褒めるのではなく、悪いところを指摘し、アドバイスするということ
かつて臨床医学の教育現場では、指導医が研修医に
「ばかもん、お前は患者を殺す気か!」
なんて言っている場面は日常的にあった
僕らはそんな教育の中で育ち、やっていけないこととか、緊急にやらなければならないことなどを体で学んだ
叱って、ドキッとさせて、体で覚えさせるという方法は、インパクトが強く、被指導者の心に残る
医学のように患者の生命にかかわる教育では、このような 「ドキッ指導法」 はとても有効であると思う
指導者に感情が入り込むと失敗する
「叱る」 のでなく、 「怒る」 には私的感情が入っているからだめ
指導される側は敏感にそれを感じて、反発だけが芽生える
体罰だって同じこと
怒る場合と同様、私的感情が入っているのではないか
日常において、他人を褒めることは、思った以上にむずかしい
褒められた側は リアクションに困ることが多いし、異性であれば セクハラと取られなくもない
他人との良好な コミュニケーションを取る一つの手段ではあるが、上手に褒めるのは本当にむずかしい
心からの感謝の気持ちを口に出すことの方が有効であり、かつ簡単であると僕は思う