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No.366 可処分時間

2015/02/04

可処分所得という言葉がある

同じように、 「可処分時間」 ということについて考えて見る

技術革新は

人々の生活を便利にすることを目的とする場合が多い
「自動化」 のもたらすものは時短である

便利器具、機器の発達により

70年前と比べて、我々の可処分時間は随分延長された
可処分時間が延びることは、寿命が延びることと イコールである

乾燥機つき洗濯機 や 電子レンジ、 電気炊飯器、 ルンバなどのロボット掃除機 は 家事時間を短縮する

新幹線や リニア新幹線は移動時間を短縮する

インターネットは、情報入手に要する時間や、買い物に出かける時間を短縮する

リニア新幹線が

在来新幹線と比べて 1~ 2時間の時間短縮をするといわれるが、たかが 1~ 2時間とあなどってはならない
1~ 2時間であっても、それだけの可処分時間が増える = 健康寿命が延びる、と考えるべきだ

終戦の 70年前に比べて

現在、仮に 1日 5時間の時短になっているとすれば、 1年間に 1825時間、活動できる日数にして 114日、睡眠時間を含めた日数に換算すると、何と 171日が延びることとなり、 1年は 1年半に延長されたこととなる

すなわち、寿命が 1.5倍になったということだ

便利になることに懐疑的な意見も少数にはあるが

大多数の人は便利になることに大賛成のわけがここにある

今後も自動化は進み続ける

家事の究極の自動化は、 「調理ロボット」 であろう

料理名と完成希望時刻を入力して食材を投入すれば、帰宅時には暖かい料理が出迎えてくれる

そんな時代はきっと来る


人工知能やロボット化が発展すれば

多くの分野で人手が不要となる

いっぽう、家事、家庭内の雑務、労働量の減少により、

人は可処分時間が増えるが、この余った時間を楽しく有意義に使うことができる人は幸せだ

しかし、たっぷりとある余暇時間を何に使えばよいのか、わからない人々が増えるだろう

誰もが趣味を持っているわけではないし

可処分時間を何もしないでぼんやり過ごせば、何となく時間は過ぎてゆく

しかし、これでは生きているとは言えず、寿命を短くしているようなものである

幸い、現在は、 「仕事」 によって時間を 「潰す」 ことができる

忙しい、忙しいと言っているのは幸せなことなのだ
「自分は 1日有意義な仕事をした」 という満足感に浸ることも、幸福の一つだろう
しかし、将来、仕事量は確実に減る

立川談志が言う前から、僕は

「人生は死ぬまでの時間潰し、いかに上手に時間を潰せるかがポイント」

と考えてきた

技術革新がヒトの実質寿命を延ばすことは確実だが

それが、全ての人にとって幸せなことであるとは、限らない

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