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No.367 僕の少子化論・1

2015/02/09

現在の出生率が続くと

日本の人口は 100年後に 4000万人、西暦 2900年には千人、 3000年には 0人となるという試算があるというが、これは馬鹿げている

男と女が存在する以上

子は生まれるから、人口はどこかでプラトーに達するだろう
おそらく、数千万人程度で定常状態となるに決まっている

さて、以前ブログで書いたように

人工知能の発達により、人のできることはすべて、ロボットがする時代は必ず到来する
すなわち労働力としての人が不要になる

企業は自動化によって

人件費の大幅削減が可能となり、収益は拡大する
その収益は、設備投資にもまわるだろうが、余剰金は配当として株主に分配される

すなわち働くことがなくなった人はどうやって収入を得るかというと、

株主 (投資家) となって、配当を得ることで収入を得るという構図が出来上がるのではないか

人口の減少により、市場も縮小するが

それに見合った数の供給者数に落ち着くだろうから (小売業者数の減少) 、定常状態になれば、企業倒産もへり、安定した市場形成ができる

また、人口減は電力や食糧の消費減となり

原油や鉄鉱石、食料品などの輸入量は減少し、食料自給率だって 100%に近くなる
しかし、海外向け製品の生産量は労働人数が減っても自動化の徹底でむしろ増大する

外貨のインが増加、アウトが減少すれば、貿易収支は黒字となる

国民は労働をしなくても収入が得られるようになると

自由な時間とお金がふえ、それは国内消費や株式投資に回るから株価は上昇する

人口減で消費が低下すれば

企業の収益が低下するとの議論があるが、企業数が人口に見合って少なくなればそんなことは起こらない

出生率の低下で大学経営が破綻するというが

大学の数を減らせばよいだけの話であり、そうすれば国家の出費も減る
同じく、受験生の減少で予備校の経営が苦しくなるというが、予備校数を減らせばよいだけの話だ

人口が減少すると

国力が低下するとか、 GDPが下がるとかの議論もあるが、 GDPが高いことと国民が豊かであることとが同じであると勘違いしてはならない
GDPでは世界第 2位だった日本が中国に抜かれたが、中国の人が平均的に皆裕福であることはないし、現在まだ世界第 1位の GDPを保っている米国でさえ、日本をはるかに越える経済格差が広がり、貧困層が多くを占め、社会問題化している

だから、人口減により、

日本の GDPが 10位になろうと 20位になろうと、そんなことに拘泥する必要はないのだ

狭い国土で

さらに森林が国土面積の 70%をしめ、可居住面積はたったの 20%程度しかない日本
ここに現在 1億以上の人が住んでいることこそが異常である

企業はリストラによって業績を回復する

日本を 1企業と考えれば、被雇用者数 (日本国人口) を減らすことが、業績を上げることに繋がることは明白だ

こう考えてくると

日本経済の回復は、少子化と、自動化によるコンパクトな経済環境の構築にかかっているといえるのではないか

多角経営をする大企業で 100年続いた会社は意外にも少ないが

ベルトとかポンプだけを作り続けて 100年以上続く中小企業はけっこうあるのだ

ダウンサイジング

これが 21世紀のキーワードとなるだろう

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