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No.369 僕の少子化対策論

2015/02/18

前回 「このままの出生率が続けばやがて日本の人口が 0になる日が来るという議論は馬鹿げている」 と書いた

一人の女性が

生涯に産む子供の数 (専門的には合計特殊出生率というらしい) が 2.07を割ると、人口は減少に転ずるとされている
だからといっていつかは日本人が 0人になるというのは非論理的である

分かりやすくするため

  1. 生涯出産数が平均 3人の女性 5名
  2. 生涯子供を持たない女性 5名

が いたとしよう

この 10名の女性を合わせれば

10人の生涯出産数は 1.5となり、これは 2.07を下回っているから、内容を考慮しなければ、人口はどんどん減少して、いつかは 0になる

しかし、前の 5名に限っては

生涯出産数 3であり、前 5人一族から出た人口は減らない
要するに、何割かの、数名子供を生む女性がいる限り、日本の人口は、減少しても決して 0にはならないということだ

実際、僕の周りを見渡しても

子供を 1人しか作らない人は少なく、少なくて 2人、多い人は 4人から 5人生んでいる
出生数が低下している実感はない


合計特殊出生率が増えない理由の一つは

(もっとも、内閣府の調査によると 2005年ごろに底をうち、以後僅かながら増加に転じている)
女性の社会進出にともなう非婚化、非出産化であろう

「仕事が面白くて、結婚 ・ 出産などで休んでいられない、そして、妊娠 ・ 出産 ・ 子育てで休業している間に、ライバルに差をつけられなくない」
こういった声は、最近しばしば聞かれるようになった

政府も、これが分かっているから

保育施設の拡充に力を注ぐが、これにも国費が使われるし、根本的な解決には程遠い姑息的な対策である

女性閣僚を積極的に起用し

女性の職場進出を進める姿勢をポーズとして示した安倍政権ではあるが、あまりにも単純すぎる

むしろ、今では激減した 「専業主婦」 にこそ、何らかの助成をおこなうべきであり、少子化を憂うならば、女性の社会進出ばかりを強調するのは決して賢いことではない

さて、子育てを終えた女性の社会進出には

年齢をはじめとして、現在いろいろなハードルがあり、希望の職種に就職できないことが多い

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