2015/08/17
バラエティー番組の雛壇に並ぶ光景はしばしば目にするところである
大半の 2世タレントは、タレントとしては親と同等や、それ以上の活躍はしていない
むろんタレント外の職業で成功している人はきっといるだろうけれど、我々が知りえる範囲は限られている
伝説の野球選手の子が大物選手になったという話は未だに聞いたことがない
天下人の二代目、豊臣秀頼も、全く活躍の場がなかった
家康には 11名の男子がいたが、その中で特に傑出していた人がいたという話は伝わっていない
清盛しかり、頼朝しかり、ナポレオンしかり、皆一代限りであった
すなわち、英雄は 2代続かないのである
2代目は、初代の築き上げた遺産を受け継いでいる分だけ、一般の人よりも優位のはずなのに、である
当たり前といえばそれまでの話だ
親子が同じような DNAを持っていたところで、性格や知力や判断能力が似ているとは限らないということだろう
だって、 ヒトと チンパンジーの遺伝子相同率でさえ 99%とされているではないか
それは自分の仕事に誇りを持っているからなのだろうが、子と自分とは人格が異なるということを忘れていることが多いのではないか
医者の子は、多忙を極める父の姿を、尊敬の念で眺める場合もあれば、 「あのようにはなりたくない」 と思う場合もあろう
どこでもいいから、どんな手段を使ってもいいから、とにかく入れる大学を探すしかないのだ
しかるに一昔前とは異なり今は、どの医大でも偏差値が上がり、ましてや裏口入学などできなくなって来ているし、運よく入学 ・ 卒業できたとしても国家試験に合格しなければ医者にはなれない
つまり、親の思い通りに子が医者になれる時代ではなくなった
また現代、選択できる職種は多様化し、医者の子供といえども医者になりたいと考える人ばかりではなくなった
しかし、 「名人の子に名人なし」 と言われるように、芸の道も練習だけでは培えない特殊な才能が必要のようだ
せっかく医院を開業したものの、子が医者にならないで 一代で閉じる医院が、今後増加していくだろうことは容易に想像がつく