2015/10/07
医学書の共著などはあっても、一般の単行本を単著で上梓したことは初めてである
しかし、その後は出版の予定すらないので、 「一発屋」 である
もっとも、 「一発屋」 とは、かなり売れた後でそのあとが続かなかった芸人に使う言葉であるが、僕の本は大して当たらなかったから、一発屋とはおこがましい限りであることは自覚している
糖尿病に関する一般向けの本で、書店では 健康コーナーに並んでいた
「徐々に解明されてきた糖尿病の発症する メカニズムや合併症の起きる メカニズム、治療法の最新の原理を、医学的知識のない人にわかりやすく解説したい」 というものであった
新患も多く紹介されてくるため、その人達に個別で糖尿病の原理などを説明するのには大変な労力と時間を要した
また、指導内容の要点を メモして渡したりしたところで、後で何が書いてあるのか患者さんにはわからないのではないか
そう思った時、それなら本にして患者さんに携帯してもらえば、重要な箇所は何度でも読み返すことができるし、外来の待ち時間も有効に利用できるのでは、と考えた
糖尿病の 病因論や 治療の理屈が理解できて、より自己管理がよくなり、良い血糖値の コントロールにつながると考えた
とんとん拍子に事は運び、原稿を幾度も推敲して、ついに出版に漕ぎ着けた
「脳内革命」 という単行本が 何十万部も売れていたので、せめて 1万部くらいは売りたいと考え、タイトルは 「糖尿病の治療が変わる」 とし、装丁や 帯のデザインや色使いにも気を配って、いざ出版となった
医学書ではないけれど、それに近い性質の書籍であるため、編集者と相談して、初版は 5000部とした
つづく