2016/06/13
理由は 日本での フォード車の 年間販売台数が 4000台程度に減少したことにある
日本国内の 十数か所の拠点が閉鎖され 300人弱の従業員が 解雇される
フォード車ばかりではなくて GM車も クライスラー車も 同じことである
故障しやすいわけでもなく、価格が 高いわけでもなく、デザインは 多少無骨だが それはそれで味がある
米国車とは 裏腹に、日本では 欧州車、特に ドイツ車が 際立って売れている
この違いは おそらく、メーカーの 車製造に関する コンセプトの違いではないかと考えた
その中で トップは メルセデス ・ ベンツ である ( 2015年には 6万 5159台)
自動車の 機能改善の努力は すざましく、今は 多くのメーカーで標準装備となっている 様々な 安全装置の殆どは メルセデスが開発した
毎年 イヤーモデルを発表して、 デザイン、 エンジン、 安全装置ともに 常に進化しつづけ、車種も どんなニーズにも答えるクラスを 常に ラインアップしている
米国車に欠如しているのは まさに この姿勢でなのである
海外の 顧客の ニーズに答える、 あるいは 資源国ゆえの 燃料の低価格から 「低燃費」 などには 興味を持ってこなかった伝統が 今、裏目に出ている
その都度 合併などにより 生き延び、今では フィアットと 経営統合し (FCA) 、正確には 米国企業ではなくなった
GMも 一時 倒産の危機に陥りながら 国家の援助で どうにか生き延びている
研究 ・ 開発に 資金を使うことができないから、革新的な車作りは できない
だから、車を 単なる日常の足と考える 本国内では売れても、車に 多くの付加価値を求める 日本や 欧州市場では 売れない
そして 経営の危機に晒される
という 悪循環の結果が 今の米国自動車産業の 実態ではなかろうか
それは ジープ (クライスラー社の商標名) である
毎年 コンスタントに 7000台余りが売れていて、ポルシェよりも多く、もちろん 米国車では 第 1位である
(他の クライスラー車は 400台前後)
因みに ジープだって 付加価値が それほど高いわけでもないのだが、その 独自の 存在感ゆえに 世界では 年間 100万台が 売れているという
飯綱町にある 某ワイナリーの芝生広場で アウディ と ジープ の展示 ・ 試乗会が 開催された
近くでもあり、僕は 興味半分で 出かけてみることにした
来場者用の駐車場には アウディの 上級車種、あるいは ジープ / チェロキー ばかりがいること
僕のように 国産車、しかも サンダル履きで来ている人など ほとんどいないのだ
ナンバーは 長野ばかりではなく、 長岡、 松本、 品川など 多彩
すれ違う人も、いかにも 富裕層といった感じの漂う 幸せそうな 家族や カップル
なんだか 場違いのところへ紛れ込んでしまったような錯覚に陥った
「日本の景気が いまだに低迷している」 とか、 「借金 1000兆円」 、 「消費税 10%先送りするかしないか論議」 などとは 全く無縁なワールドが そこには広がっていた
来場者全員に配られる ワインと ジャムの詰め合わせを ちゃっかり受け取ると 早々に会場を後にした