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No.017 僕の経歴 その4 K病院・内科部長篇

2011/01/19

15年間の医学部教官生活の臨床実地のブランクは

思った以上に大きかった

大学在職中、僕は、手技を含めた患者の医療の大部分を下級医任せにしていた
勿論、
下級医の疑問には答えたし、
治療法の決定時などの症例検討も、
適宜、
担当医とおこなってはいたし、
外来もこなし、
また臨床の文献を通して、
知識はそこそこに持っていたつもりだった

しかし、
実際に自分の手を動かすことは、
殆どしていなかったように思う

そのせいであろう、
K病院に着任した時、
僕は中心静脈確保の手技や気管挿管すら満足にできなくなってしまっていた

実際、
食道挿管をしてしまったことも何度かあった
このことは本当にショックだった

医学部、大学病院の15年間は自分にとって一体何だったんだろう?

実地臨床を軽視した報いだと思った

僕の肩書は「内科部長」
聞こえは良いが、
K病院の規定では、
卒後10年経っていれば、
医師は誰でも「部長」
なんちゃって部長の誕生である

K病院はもはや

自分がかつて研修医1年目に代務医として週1回通っていた時代の、
なぜか家政婦が仕切っていた、のどかな病院ではなかった

地域の基幹病院として、
今や5病棟を有する、
214床の、
急性期型病院としての役割を担っていた

外来患者数は日に700人前後、
救急車受け入れ数は、
当時、
年間2000台を超えていたと思う

救急蘇生、
気管挿管の機会は毎日のようにある
当直の夜は1晩中、
外来患者や救急車が押し寄せ、
寝ている暇など殆どない

1晩に10名を入院させたこともあるほどの忙しさで、
ある女医は
「もー、PHS投げたくなるっ-」
ってぼやく

急性心筋梗塞の患者が搬送されれば、
診断から心臓カテーテル開始まで20分かからない体勢が構築されていた

僕は次第に昔の勘を取り戻していった、

と同時に、
実地臨床から離れることの怖さを改めて思い知った

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